レーシックと訴訟問題

即効性のある視力回復手術として、近年人気を集めているレーシック。

日本ではまだまだ歴史が浅く、2000年に認可されたばかりですが、安全性が認められたことから、年々症例数が急増しています。

しかし、その一方で、外科手術の宿命とも言うべき訴訟問題に発展しているケースも報告されています。

以下では、これまでにあった訴訟問題の事例を紹介していきます。

事例1.インフォームドコンセント不足による訴訟

インフォームドコンセントとは、ある治療を行う際、患者が医師からその治療に関する基礎知識や方法などの説明を十分に受け、その内容に承諾した上で治療を行うことを指します。

医療に従事する者と、治療を受ける患者との間になくてはならない儀式の一環であり、後のトラブルを防ぐためにも非常に重要な事柄です。

このインフォームドコンセントの義務を怠り、レーシック手術のメリット部分だけを患者に吹き込む一方、合併症や後遺症などのリスクには一切触れずに手術を行った事例がありました。

結果、患者は術後の合併症により、視力が術前よりも悪化してしまいました。

患者はクリニック側の説明不足を理由に訴訟を起こし、裁判では患者側の訴えが認められ、クリニック側の説明義務違反が認められる判決が下されました。

事例2.フラップ作成失敗

レーシックでは、角膜の表面を薄くスライスしてフラップ(目のふた)を作成した後、めくった部分にレーザー光を照射して角膜を削り、再びフラップを戻して癒着させる手術を行います。

現在、最も普及しているイントラレーシックは、このフラップ作成を精密なレーザー機器によって行うので、安定した結果を得ることができますが、レーシック普及当初は、マイクロケラトームと呼ばれるカンナのような金属ブレードによってフラップを作成していました。

当然、この方法は医師の技術が仕上がりを左右し、高度なテクニックが必要とされましたが、担当した医師の未熟さが原因で、このフラップ作成が失敗したケースがあります。

フラップ作成に失敗すると、癒着の際にシワやズレが起こってしまうため、患者は不正乱視という後遺症を抱えることになってしまいました。

さらに、使用した医療器具の消毒が不十分だったため、角膜に異物が混入し、角膜がにごるという事態まで招いてしまいました。

当然、患者は訴訟を起こし、勝訴しています。

訴訟沙汰にならないために

レーシックは外科手術としては安全性の高い施術です。

しかし、その安全性は絶対的なものではなく、他の外科手術同様、100%安全だと言い切れるものではありません。

しかし、その安全性を限りなく100%に近くするのは可能であり、そのためにはレーシックを受けるクリニックの質や評判をあらかじめチェックしておく必要があります。

費用が安かったり、症例数が多いという理由だけで選ぶのも考えものです。

クリニックを選ぶ際、まず優先すべきは、そのクリニックの技術力や設備、医療器具などの質が良いかどうかを基準に検討するべきでしょう。